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あの夏のクライフ同盟 ( 増山実 /著 )

あの夏のクライフ同盟 ( 増山実 /著 )

¥1,980 税込
商品コード: 9784344043886
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1973年12月14日に発売されたサッカーマガジン1月号 「'74 世界スターカレンダー」 巻頭グラビアは、34年ぶりにヨーロッパ予選を勝ち抜いてワールドカップ`74西ドイツ大会に出場を決めたオランダ代表を取り上げていた。

西ドイツのベッケンバウアーやブラジルやイタリアのスター選手でもなく、マンチェスター・ユナイテッドのジョージ・ベストでもない。なぜ、サッカー後進国のオランダの選手が巻頭グラビアに?

ペペは、不思議に思ってページを繰った。一枚のカラー写真がページを繰る手を止めた。脳天に、電撃が走った。写真のキャプションに描かれた名前を素早く目で追った。

ヨハン・クライフ。

オランダがなぜ34年ぶりにワールドカップ出場を決めたのか、そしてなぜサッカーマガジンがそれを巻頭グラビアで取り上げたのか。答えはすぐにわかった。記事はオランダ代表を紹介するのではなく、オランダをワールドカップに導いた一人の選手だけに誌面を割いていた。そこにはカラー写真が10枚ほど掲載されていたが、すべて彼を写したものだった。
ヨハン・クライフ。

ペペはあらためて見る彼の風貌に惹きつけられた。長髪で、鼻筋が通ったハンサムだ。すらりと伸びた身長は、他の選手より頭半分ほど抜けている。そして鮮やかなオレンジのユニフォームから伸びている長い手足。写真は彼のプレイの瞬間を切り取ったものだ。なのに、しなやかでダイナミックな彼の躍動が、静止する写真からでも十分に伝わった。

そして何よりも惹きつけた一枚の写真があった。フィールドの上で、左手をまっすぐ前に伸ばして、仲間に何かを指示している写真だ。
とびっきりかっこいい。ぺぺの体に電流が走った。写真ではなく、プレイするクライフを見たい衝動に駆られた。
  *   *   *
1974年7月7日あさ7時すぎ、台風8号が通り過ぎた、まだ安定しない天気の中、ペペは同じ中学のサッカー部、ツヨシ、サトル、ゴロー、4人で福岡県北九州市を自転車で出発した。目指すは、山口県柳井市。午後11時50分からテレビ放送される’74ワールドカップ西ドイツ大会決勝戦、オランダー西ドイツの試合を見るための
160キロの長い長い旅が始まる・・・

【14歳のおれたちは自転車を走らせた。サッカーの“神”に会うという夢を乗せて。恋愛、友情、夢、大人への憧れと逃避……。傑作青春小説】

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