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【こんぶ店長コメント】

日本に初めて携帯電話が登場したのは1985年、重さが3Kgもあり肩掛けで持ち運ぶタイプでした。90年代、小型化・高機能化が進み、2008年、日本でApple社のiPhoneが発売されました。
携帯電話ができて39年、スマホができて16年、AIの技術が進化したのは事実ですが、テクノロジーの変化の放物線が曲線を迎えるのはまだこれからです。

AIの進化、普及により「将来なくなる職業リスト」なるものをよく見かけますが、この本を読むと、AIがどんなに進化しても人にしかできないことがわかります。
たとえば、企業で管理職をしている場合、AIであれば過去のデータを解析して最善の方法を導き出してくれます。それによって生産性は上がるでしょう。
しかしデータ分析や市場調査はできても、部下や同僚のその日の体調を考えたり、やる気を引き出すことはAIでは叶わない。コーチングやマネジメント、思いやりやおもてなし、人にしかできない能力があります。
これらを使える人間に育ってないと、ロボットに仕事が奪われるのかもしれません。

私たちは「教えて育てる＝教育」を受けてきました。
学校の先生や上司から教えられた通りに学び、指示された通りやればこれまでは評価されました。
でもこれからは、自ら考え、自ら判断し、自ら行動できる人材が求められます。
そのために「啓き育てる＝啓育」が必要であると下村さんは訴えます。

当店でおこなっている選書も、人にしかできません。少なくとも僕は、過去の購入データに基づいて選んでるわけではない。
眼の動き、声のトーン、口角、歩き方など様々なことを察知して今出会うべき一冊を選んでいます。
啓育立国、人にしかできない力を発揮したい方におすすめです。